だからぼくは品詞
高いところから落ちて
生きものが壊れる音をだす
天井からも侮辱を受けていた
透明な疲れでできていた昼
僕が僕しようとすると
僕は僕しなくなった
死体にはならなかったけど
素通りしていった死が
からだにたくさん残っている
みなさんの形容詞を修めて
ぼくは名詞に就くことになりました
ハッピーなかかかか顔
顔 かおが
顔がぼくたちのシェイクされる
いいえ
何でも
ありません
ぼくもぼくたちになれましたか?
ぼくが顔するのではなく
顔がぼくします
だからぼくは品詞
みんなと同じになります
心臓だけがからっぽで
それ以外のぜんぶが心臓みたい
いっしょうけんめいに働くと
たまにイスに座られている
世界の乱視が
めがねなしで見つめ返した
明日は明日が
視認にぼくをさせるだろう
ぼくの名詞が溶けていく
最後のぼくのなかで
ぼくでない人が
ぼくでない人の名前を呼んだ
それでぼくはふり返る
顔のない顔で
前のない後ろを向い
て
ぼくは見た
かつてぼくでなかった人の僕を