愛さないことにかけては世界の方が上手

詩人・ライターの喜久井伸哉(きくい しんや)による愚文集

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

【諷刺詩】吾れ十五にして立たず(論語・ヘルダーリン・田村隆一 他パロディ)

はじめに言葉もなかりき ・ 人間:吾が窮乏の訴へは 薔薇(さうび)の枝を啄(ついば)むごとく 汝の耳に聴くに堪へざるところならんや 祈りの詞(ことば)をば知らざりしかど おほいなる涙の露はおちかかりけり 神よこのあはれな者を 御身の慈悲により救い…

【断想/一行文集】どうしようもないのでとりあえず自分のふりをしてやりすごしている

どうしようもないのでとりあえず自分のふりをしてやりすごしている ぼくは一人の群衆にすぎない 目には目を 舌には舌を 顔には顔を 僕は他人の自伝を編まないといけない 言葉は沈黙で発酵(もしくは腐敗)する 神の沈黙に鼓膜が破れる 他人行儀に自身という…

【当事者研究】本当の「不登校の原因」を語るにはどうしたらよいか(後編) 「行きたいけど行けない」ことを語りなおすために

前回と今回は、二回に分けて、当事者研究を載せている。私は、いわゆる「不登校」において、「行きたいけど行けない」感覚があった。「原因は何か」、と、さんざん聞かれてきた。しかし、自然なかたちで、理解される応答をすることは、難しかった。この数十…

【当事者研究】本当の「不登校の原因」を語るにはどうしたらよいか(前編) 「行きたいけど行けない」ことを語りなおすために

今回と次回は、二回に分けて、当事者研究を載せる。私は、いわゆる「不登校」において、「行きたいけど行けない」感覚があった。「原因は何か」、と、さんざん聞かれてきた。しかし、自然なかたちで、理解される応答をすることは、難しかった。この数十年の…