愛さないことにかけては世界の方が上手

詩人・ライターの喜久井伸哉(きくい しんや)による愚文集

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

【本】「行く」が能動態で「行かない」が中動態? 中動態から見る「教育マイノリティの世界」②

中動態から見る「教育マイノリティの世界」/國分功一郎著『中動態の世界』読書メモ② futoko.publishers.fm 「不登校新聞」のインタビュー記事 に刺激を受けつつ、中動態から見た「教育マイノリティ(不登校)の世界」を見ていきたいと思う。なお私は七歳か…

【本】中動態から見る「教育マイノリティの世界」  國分功一郎著『中動態の世界』読書メモ①

2018年8月15日、「不登校新聞」で哲学者・國分功一郎さんのインタビューが公開された。私も編集に関わった記事で、著書の『中動態の世界』を中心に語られている。 futoko.publishers.fm マイノリティには、世の中のマジョリティの人々とは「言葉が違う」よう…

【現代詩】「寒蝉鳴(ひぐらしなく)」

寒蝉鳴 六十年後の子孫たちがある昼下がりにほがらかな顔をして私たちの今日を戦前だったと言っている あれはまだスマホしかなかった頃のどかにも東京と書けた頃親たちの親たちとその親たち今よりも無恥だったプロローグ まだ会釈が通じるなんてさいわい茶菓…

【写真詩】ラーゲルクヴィスト『無題』付

自身で撮影した写真十点に、スウェーデンの詩人ラーゲルクヴィスト(1891ー1974)の作品二編を付けて公開します。ラーゲルクヴィストは岩波文庫に『バラバ』『巫女』がありますが、私は散文より詩に感銘を受けました。弱く孤独な者=自身への憐憫ある内省的…