愛さないことにかけては世界の方が上手

詩人・ライターの喜久井伸哉(きくい しんや)による愚文集

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

【写真詩】髙木敏次『傍らの男』付

もしも 遠くから 私がやってきたら すこしは 真似ることができるだろうか (「帰り道」) 知らない人によりかかって その人を 知っている人のようにおもいたい (「その人」) どこからでも見えるが 私だけが見えない (「男」) 死んだ人が 生きている真似…

【詩】「禽獣(きんじゅう)」

禽獣 「絆」という言葉はむかし家畜をつなぐ道具の意味だった。大勢で歌われるには不向きな綺麗でもない原義がある。もっとも絆とやらの内実にはずうずうしい調教もあっただろう。 守りたかっただけの命綱がいつしか首吊りをさせている。そばにいようとした…