愛さないことにかけては世界の方が上手

詩人・ライターの喜久井伸哉(きくい しんや)による愚文集

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

【エッセイ】死者は見える 死は見えない コロナウイルスに奪われた「日常」の悼めなさ

今回は、コロナウイルスと死についてのエッセイを掲載します。私が参加している『ひきポス』のウェブサイトに載せる予定でしたが、書いていてあやふやな内容になってしまったため、自ら廃案(ボツ)にした雑文です。 なお、この文章には、東日本大震災・自殺…

【断想/詩】ナラティブ不能

ぼくを 君を おれを わたしを あたしをわたくしを あなたを 貴殿を きみたちを我らを 自分を 私を 俺を あなたを ぼくがいたのに あなたがいたのに自分がいたのに 俺がいたのにお前がいたのに 君がいたのに 災害はすべてを三人称にしていった ・ わたしたち…

【断想】僕の舌はお前たちの舌と舌と舌と舌と舌と舌のあいだで語らないといけない

僕の口中はお前たちの顔でびっしりだ舌の表面で爛熟した顔顔顔の熱帯雨林舌の中の舌の中の舌の中の舌の中の舌お前たちの大量の顔で舌が動かせない身動きがとれない顔うごきがとれない舌うごきがとれない好き勝手にしゃべりまくる舌の腫瘍共四半世紀越しの顔…