愛さないことにかけては世界の方が上手

詩人・ライターの喜久井伸哉(きくい しんや)による愚文集

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

【現代詩】引き潮

引き潮 昨日はひどい津波だったと明日の人間が語っている。私はまだ名前を発見できない今日の引き潮を生きている。 人々は火山灰のようなものを恐れ通り魔のようなものに身構えていた。街は震災のように荒廃しいずれでもないものによって被災地だった。 皆が…

【現代詩】最低限度の酸素的な生活 (新型コロナウイルスの感染拡大に伴う文化的な防衛活動の実施 2)

最低限度の酸素的な生活(新型コロナウイルスの感染拡大に伴う文化的な防衛活動の実施 2) リモートワーク中に克己心をダウンロードしておいてよ春が来てもローディング画面から動かない私の人生は5Gでも挙動がままならない自己に忙殺されている常住坐臥 …

【現代詩】新型コロナウイルスの一人称による国際政治へのオード(感染拡大に伴う文化的な防衛活動の実施)

新型コロナウイルスの一人称による国際政治へのオード(感染拡大に伴う文化的な防衛活動の実施) 私達がまだコウモリにぶらさがっていられた頃は人々は唾を交わせながら交尾していられたいかなる時代であっても嬰児は丸ごしで生まれ微力な呼吸器しか持たない…