愛さないことにかけては世界の方が上手

詩人・ライターの喜久井伸哉(きくい しんや)による愚文集

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【小説】小鯨猟

祖筋少年たち三人が、マンションの一室でそれぞれの漁の成果である「小鯨(しょうくじら)」を見せ合う。李(リー)や圭(ケイ)は見事な「小鯨」を見せたのに対し、「僕」の取り出した「小鯨」はあきらかに異質で、他の二人を狼狽させる。 小鯨猟 あんたは…

【現代詩】時ははやくすぎる 光る星は消える ぼくにもういちど顔を投げろ

詩集『ぼくはまなざしで自分を研いだ』(2020年)より 時ははやくすぎる 光る星は消える ぼくにもういちど顔を投げろ 何のために生まれて何のために生きるのか。大人になって自分を食べて涙のぼくは救われる。首をはねられても熱いこころみんなの夢を守るた…

【詩】詩人・山村暮鳥作「風景」と内閣総理大臣・岸田文雄作「風前」

風景 山村暮鳥 いちめんのなのはないちめんのなのはないちめんのなのはないちめんのなのはないちめんのなのはないちめんのなのはないちめんのなのはなかすかなるむぎぶえいちめんのなのはな いちめんのなのはないちめんのなのはないちめんのなのはないちめん…