海に適合できなかった出来そこないの水生生物だけが到達した進化先としての地上。
希死念慮の波間に露表する希生念慮の岩盤の硬さよ。
理性の引き潮が悔恨の岩礁をあらわにさせてなお、容赦なく追憶に叩きつける波飛沫の漏洩としての悲涙。
環状島の内角から金塊でも出りゃあいいのに!
歳月の海嘯にさらされて、丸くなった追憶の小石たちが転がる海岸を横目に、余計に尖っていく生涯の総体としての断崖絶壁の鋭さときたら。
自己が体から振り落とされるほど荒ぶっている心的外傷。
もっとも近い異境は自宅。もっとも近い異人は自分。
西洋の精神医学は人間の深層心理におけるダイナマイトの発明となった。その結果はゴールドラッシュの伝説と大量の爆死者。そしてノーベル賞的な名誉と罪滅ぼしの弁明の積み重ね。
都市では精神を病みながら生活していくという自滅的な健康様式によって延命している珍獣が多く見られる。
お互いの過剰防衛による傷害事件に対する裁定は過剰判決しかない。
逃走が闘争の一形態であるように、放棄は蜂起の一形態でありうる。
子供が歳月に寄生されて変態を起こした結果にすぎないみたいなろくでもない成体としての大人。
肉弾的な本音のゲリラ戦に次々と敗北していく、簡易な学問用語を装備しているだけのアカデミアの兵隊たち。
国民の歴史は毎年下書き保存されている。
過去を彫琢するノミは今日の手に握られている。
過去が沸騰しているとき、未来を彫琢するためのノミは熱すぎて握れない。
鉄は熱いうちに打て。ただし歴史は可燃物だ。