愛さないことにかけては世界の方が上手

詩人・ライターの喜久井(きくい)ヤシンが好きなことを好きなようにやるためのブログ

活動案内

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現在はブログ・SNS以外の活動に専念しているため、定期的な更新をストップしています。

「WEB版 ひきポス」では記事を公開することがありますので、お探しいただけると幸いです。

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これまでの活動は、当ブログの過去記事等に保存しています。

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2021年5月活動情報

2021年5月の活動情報です。
 

  『WEB版 ひきポス』執筆記事

 

●就労とひきこもり #就労支援

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●〈詩の言葉〉 #名言集

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●1000文字小説「透明人間になるための学校」 #発達障害

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●1000文字小説「一生ゴロゴロしていたいライオン」 #引き出し魔

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   『不登校新聞』取材記事

社会学者 品田知美さんインタビュー

www.huffingtonpost.jp

※上記の『ハフィントンポスト』他、複数の媒体で掲載。

 

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なお6月から当面、ネット更新をお休みします。あしからず。

 

【諷刺家ファイル】「雑コラ」の偉大なる始祖 ジョン・ハートフィールド

諷刺家備忘録 No.63 ジョン・ハートフィールド 

写真で描け!写真で詩作せよ!武器としての既成の写真!
(ハートフィールドがドイツ工芸家展で掲げた標語)

ジョン・ハートフィールド―フォトモンタージュとその時代

John Heartfield(1891-1968)

ハートフィールドはフォトモンタージュ(コラージュ)によるアート制作の先駆者であり、ジャーナリストのクルト・トゥホルスキーと組んだ社会風刺の偉大な仕事が残る。

雑誌「プライテ(破産)」では10年以上にわたり国民社会主義プロイセン軍国主義などを標的に、ドイツ国内へ風刺の針を刺しつづけた。

名前はヘルムート・ヘルツフェルデからの改名だが、ドイツ帝国当局は改名登録を拒否している。

 

以下はズビニェク・ゼーマン著『ヒトラーをやじり倒せ 第三帝国カリカチュア』(平凡社 1990年)を参照する。
本書はヒトラーに対する風刺画のみをテーマとしたニッチな書で、ハートフィールドの作品を含む多くの図録を掲載している。

 

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「万歳、バターはなくなった!」。赤ん坊までもが鉄をむさぼり食う食卓を活写し、戦時の空気を鋭く切り取る。

 

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 1936年ベルリンオリンピックに対する「ゲッペルスのあやつり人形」。
下部の説明文はベルリンの方言で『競技の目的——オリンピック参加者のみなさん、足なみをそろえて――進め!』。現代の東京にも転用できる着想だろう。

 

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持前の制作手法で軍拡を批判しつづけた。実際はカラー作品なのでもっと見栄えが良い。

 

写真という媒体そのものが新しかった時代。 トゥホルスキーは、フォトモンタージュの手法をこう称えた。

われわれには、もっと多くのフォトグラフが必要である。フォトグラフほど、アジテーションを効果的におこなえるものはない。……対比と並列をそなえたこうした写真ほど、多くのことを証明したり、また刺激したりするものはない。そして、説明文はほとんど必要ないのである。
(クルト・トゥホルスキー) 

 

また、『ヒトラーをやじり倒せ』ではカリカチュアの歴史についても書かれている。著者によれば16世紀に宗教的政治的なプロパガンダとして発展したものが、現代につづくカリカチュアの成立であるという。以下は16世紀のカラッチという学者の言葉で、藝術作品全般に通じる指摘となっている。 

カリカチュアの画家の仕事は、古典的芸術家の仕事とまったく同じではなかろうか?双方とも、たんなる外見の舌に隠れた不変の真実をみている。双方とも、自然を助けてその計画を完成させようとする。一方は完全な形(フォルム)を視覚化して、それを自分の作品のなかであるがままに描写しようとするが、他方は、完全な歪形(デフォルメ)をとらえることによって、人間の本質そのものをあきらかにしようとするといえるであろう。あらゆる芸術作品と同じように、すぐれたカリカチュアは実物そのもの以上に実物どおりなのである。

 

ニュースは5W1Hの「本当のこと」を伝える。しかし諷刺が切り取るのは、実物を超えた「もっと本当のこと」だ。

 

 

  追記
 日本のフォトモンタージュの先駆者にマッド・アマノ氏がいる。画像検索すると下品な作品ばかりが表示されてしまうが、80年代出版の文庫本では古典絵画や戦艦などのイメージを用いた成功作が掲載されており、一読すべき人である。