愛さないことにかけては世界の方が上手

詩人・ライターの喜久井伸哉(きくい しんや)による愚文集

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

【断想】「〈自分アレルギー〉患者」の自伝

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【エッセイ】生誕100年 ジョン・ケージに捧げる433文字

【断想】『世界文学全集』より 沈黙・余白名場面集

紫式部 『源氏物語』「雲隠れ」 ダンテ『神曲』 …… ラブレー『ガンガルチュアとパンタグリュエル』 …… シェイクスピア『リア王』 …… スウィフト『ガリヴァー旅行記』 ……! ドストエフスキー『罪と罰』 ……? トルストイ『戦争と平和』 ………………………………………… プル…

【断想】『現代ウクライナ短編集』の一部抜粋と、収録作品「天空の神秘の彼方に」に登場する人名と人称代名詞のすべてを「人間」に置き換えた一文

今回は、『現代ウクライナ短編集』(群像社 2005年)の収録作、「天空の神秘の彼方」の文章の一部を改変した一文と、短い抜粋文を掲載する。 具体的には、「アンドリイ」「フェーディル」といった人名と、「彼」「彼女」といった人称代名詞を、すべて「人間…

【断想】顔と僕

昨日に僕は戻るそしてそこには誰もいない誰とも待ち合わせていない昨日に僕は戻るそしてそこには誰もいない昨日で僕は待っているそしてそこには誰もいない ・ 顔に震災するあらぶれにぼくはいつもぼくの震度だった破砕された一生のつじつまに涙にあらがえる…

【散文】 岩ぐるみ /耳ぐるま/鶸ごわれ(ひきこもり断想)

岩ぐるみ 岩に閉じ込められて圧し潰されたまま五百年を生きた孫悟空における四百九十九年目の無言のように、この生き物はまた嫌だ、嫌だ、嫌だ、と身体を嫌がりむずがり、重いというよりもぐったりしすぎて弛緩しているために動かし難い感覚の、役立たずの、…