いつか本物に出会ったとき非難されそうな
僕はいつも自分自身の贋作みたいでいる
ぼくは自分を養子に出してあげたい
せめて他人で幸せになってくれたら
船酔いをするように自体に吐きそうになる
難破してしまう挨拶の微風もぼくには嵐で
僕は世間との共同作業によってぼくの傀儡を操ってきた
美しく統治された領土に芽吹いていく文明開化の輝きを
ぼくはたいてい自分の後ろに立っている
かならず頭があるせいで前がよく見えない
僕は狂っていないともう一人の僕が言ってやがる
それを論破した瞬間の自分の顔を見せてやりたい
清澄白河の大橋を渡っていた子の
この世に鳥がいないような悲しみ
僕は見る前に跳んだ
僕の後ろに道はできた
僕は犀の角のように歩んだ
でも 言葉はついてこなかった。