愛さないことにかけては世界の方が上手

詩人・ライターの喜久井伸哉(きくい しんや)による愚文集

2023-08-09から1日間の記事一覧

【断想】僕は自分に失明することで世界を耐えた

僕は自分に失明することで世界を耐えた涙を流すための器官はもう発見できない 気まぐれな幼年期が時制の柵を飛び越えてやってくるでも退屈しかないとわかってすぐに軽蔑しながら消える 胚胎した幼児が私に産声をあげ郷愁の臨月に涙腺が破水するお前黄泉の入…