愛さないことにかけては世界の方が上手

詩人・ライターの喜久井伸哉(きくい しんや)による愚文集

諷刺家ファイル

〈風刺映画〉の監督ベスト11

今回は、映画史上最高の「諷刺」を描き出した監督11人をピックアップする。※ツイッター (https://twitter.com/ShinyaKikui )と当ブログでまとめている「諷刺家備忘録101」の84~94番。 No.84 チャーリー・チャップリン 映画史に残る不滅の「喜劇王」。『モ…

【諷刺録】特筆すべき現代アーティスト5組 バンクシー/アイ・ウェイウェイ/カテラン/ムニーズ/Chim↑Pom

気まぐれ更新の「諷刺作家備忘録」で、今回は現役の現代アーティスト5組を取り上げる。“騒ぎになること”を商売としているかのようなお騒がせな面子(めんつ)がそろった。あるラッパーに、『オレは人を不快にさせるのが仕事なんだ』という発言があったが、…

【諷刺家ファイル】ノーベル文学賞記念 オーストリアの作家たち ペーター・ハントケ/トーマス・ベルンハルト/カール・クラウス

先日ノーベル文学賞が発表され、2019年の受賞者にオーストリアのペーター・ハントケが選ばれた。 せっかくなので、今回は趣味で記録している「諷刺家備忘録」の一環として、オーストリアの作家たちをとりあげる。ペーター・ハントケ、トーマス・ベルンハルト…

【諷刺家ファイル】日本の戦中・戦後の画家たち 河原温・中村宏・石井茂雄・浜田知明

このブログは詩や1コマ漫画などさまざまな形式の記事を出しているが、元々は趣味の諷刺研究のアウトプットに使うという目的があった。諷刺家については、以前ツイッターで「諷刺作家備忘録101」をやり、101人分のリストがある。今回はそれらのまとめの一つと…

絵を描く作家たち 酉島伝法、ブッツァーティ、ムロージェク他

先日、酉島伝法の『宿借りの星』(東京創元社 2019年)を読んだ。異形の者が「本日はお皮殻(ひがら)もよく」というような、造語をはじめとした創造力と遊びに満ちており、SF的世界に耽溺できる小説だった。 しかし個人的に注目したのは、著者自身が写実的…

【諷刺家ファイル】No.75 風間サチコ「芸術は不発弾だ!」

諷刺家ファイルNO.78 風間サチコ ※敬称略 風間サチコは、1972年生まれの版画家。モノクロの木版画によって、現代日本をターゲットに据えた諷刺的な作品を発表している。2018年には初の作品集『予感の帝国』(朝日出版社)が出版された。 独特なポイントを三…

【諷刺家ファイル】No.57「セックスがなければ子供だって生まれない」不遜なる絵本作家 トミ・ウンゲラー

2019年2月9日、絵本作家として知られるトミ・ウンゲラー(Tomi Ungerer)が亡くなった。87歳だった。 www.asahi.com ウンゲラーは1931年フランス生まれ。56年に渡米し、イラストレーターとして活躍する。その後アリルランドに移住。代表的な絵本に「すてきな…

【諷刺家ファイル】No.53 諷刺画の王 ジョージ・グロス

ジョージ・グロス(George Grosz 1893–1959)ドイツの世相を鋭く荒々しい描写によって描きだした、二〇世紀最大の風刺画家。 以下は『社会諷刺漫画』 (岩崎美術社 1969年 ※表記は「グロス」ではなく「グロッス」となっている)から。順に「えらい人」、「つ…