愛さないことにかけては世界の方が上手

詩人・ライターの喜久井伸哉(きくい しんや)による愚文集

2020-07-06から1日間の記事一覧

【写真】金子光晴「寂しさの歌」付

どっからしみ出してくるんだ。この寂しさのやつは。夕ぐれに咲き出たやうな、あの女の肌からか。あのおもざしからか。うしろ影からか。 糸のようにほそぼそしたこころからか。そのこころをいざなふいかにもはかなげな風物からか。 その寂しさは、僕らのせす…